那覇から訪れた上地ヒデ子さん(88)は「平和の礎(いしじ)」に刻銘された3人の兄たちに会えると思い必ず毎年訪れるという。「安らかに眠って欲しい」とカップに注がれたお茶をかざす。「戦争はあって欲しくない」と話した=2024年6月23日午前7時34分、沖縄県糸満市、小宮路勝撮影
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 23日は、太平洋戦争末期の沖縄戦での戦没者らを悼む「慰霊の日」。沖縄県内各地では慰霊行事が行われ、日米問わず戦没者の名前が刻まれた沖縄県平和祈念公園(糸満市摩文仁)の「平和の礎(いしじ)」には例年多くの遺族らが訪れる。同公園では午前11時50分から、県などが主催する沖縄全戦没者追悼式が行われる。

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 沖縄では1945年3月26日から約3カ月間、沖縄本島を中心に地上戦が行われ、日米合わせて約20万人が犠牲になった。同公園の「平和の礎(いしじ)」には国籍、軍民問わず死者の名が刻まれ、今年は181人が追加されて刻銘数は24万2225人になった。

 沖縄全戦没者追悼式では、玉城デニー知事が平和宣言を読み、岸田文雄首相も出席する。

 今年の平和の詩は、県内の児童・生徒の計879作品から選ばれた県立宮古高校3年、仲間友佑さん(18)の作品「これから」。本人が会場で読み上げる。朗読は午後0時25分ごろからの予定。(小野太郎)

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